未だ梅雨も明けてないというのに35℃を超える夏日。
この景気、月に一度は訪れていたA氏も 久々の来店。
昨日、ご予約頂いた時から、胸に湧き上がる気持ちを抑えられずにいる。
彼とまだ爽やかな風そよぐ頃に会った事が、昨日のことの様に蘇る。
その時のA氏とのやり取りを思いだして、体が熱く頭がぽーっとするのは、
この暑さのせいではないだろう。
手には何か持っているように見える。
鞭? それともロープなのだろうか、それとも。
恐怖に矛盾するように、からだは期待に身悶える。
ルーラに勤めてから、いつしか私のからだは大きく変化してきた。
変化なのか進化なのか?
体は苦痛である筈なのに、熱い蜜は芯から湧き出でる。
この状況で、悲しいほどに体は応える。
ハイエナのような欲望。
今でも、思い出す事さえ恥ずかしい事が、瞼にこびり付いて剥がれない。
もう一度、あの刹那の中で、苦しいほどの悦びを体に刻みつけて欲しい。
ほとばしる思いにA氏は、冷酷なまでの仕打ちを与える。
手にしていたのは真っ赤なロープだった。
関節という関節をこれ以上開かない程に広げ、固定される。
無理に動くと、じわじわ広がる鈍い痛みが襲う。
頭では従順にしているつもりだったが、この醜態。
恥じらいの気持ちが取り除けずにいた。
痛みと緊張で流れ落ちる汗を指でなぞる・・・
「反抗は痛みに変わるだけで 悦びはやってはこないよ。」
痛みを意識させるかように沈黙の時を共有する。
くい込むロープは、甘い愛撫へと変わってゆく・・・
陰悦の瞬はやってきた。
黒い影は、私に近づいてきた。 ひと際鮮やかに揺れる光を手に。
刺すような痛み。赤い蝋の爪痕が、獣の涎の如く私の体を這い回る。
揺らぐ・・・
高揚する魂は体をすり抜けて中に舞う
もっと苦しめて欲しいと、
それこそが貴方様の歓びであるならば、
私の幸せに変えて欲しいと。
倫理もモラルも色褪せたこの部屋で・・・
なんて、こんな湿度の高い妄想でもしなきゃ、
この季節の憂鬱はたえられないでしょ。
でも・・・これは妄想だけではないの。
ノンフィクションです。